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【臨床心理士がやさしく解説】第20回「子どものSST:社会的望ましさと自立の育成」

2024.11.18

こんにちは、発達支援Laboランプです。

ここでは、定期的に療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信をしています。

今回のテーマは「子どものSST:社会的望ましさと自立の育成」です。

子どもたちにとって、社会的スキルは、人間関係を築く上で不可欠です。しかし、ソーシャルスキルトレーニング(SST)が必ずしも彼らの個性や自立を尊重する形で行われているわけではありません。本コラムでは、SSTをどのように実施すれば子どもたちの自立心を育て、同時に社会的望ましさを教えることができるのかを探ります。

1,SSTの意義と目的

ソーシャルスキルトレーニングは、単に社会的なルールやマナーを教えるだけではなく、子どもたちが自己の感情や他者の感情を理解し、適切に対応する力を養うために重要です。これにより、子どもたちは自分だけでなく、他人との関係を築く上での基礎的なスキルを身につけることができます。

2,子どもたちの選択の自由と自立の促進

SSTにおいては、子どもたちに「正しい」選択だけではなく、「なぜそれが正しいのか」という理由も併せて教えられるのが望ましいでしょう。また、彼らが自らの選択に責任を持つことを学ぶよう、適切なガイダンスを提供することが重要です。こうしたプロセスを通じて、子どもたちは自立した判断力を養うことができます。

3,社会的望ましさと個々の価値観の調和

社会的に望ましいとされる行動を学ぶことは、子どもたちにとって重要なステップですが、併せて彼らの個性や価値観も尊重される必要があるでしょう。子どもたちが社会的期待と個人の感情や意見との間でバランスを見つけられるよう支援することが肝要です。このバランスを通じて、子どもたちは他人を尊重すると同時に、自己尊重も学ぶことができます。

4,日々のやりとりの中でのSSTの実践

ソーシャルスキルトレーニングは、教室や研修のセッションだけではなく、日常生活の中で常に行われています。たとえば、家庭内での食事時、公園での遊び、または学校でのグループ活動など、日々のさまざまなシチュエーションがSSTの絶好の機会を提供しています。これらの場では、子どもたちは社会的な文脈を理解し、適切な言葉遣いや行動を選ぶことで、自然な形でソーシャルスキルを身につけていきます。

まとめ

子どもたちの社会的スキルの育成には、彼らの自立と責任感を重視するアプローチが求められます。SSTは、単に社会的な規範を教えるだけでなく、それらを理解し、適応する過程で子どもたちが自己決定を行う力も育まれることが望ましいでしょう。このような関わりが、真の意味での成熟へと子どもたちを導くのではないかと考えています。

発達支援Laboランプとは

児童発達支援・放課後等デイサービスの多機能型事業所です。

◆心理士による専門的なアセスメントや介入
子どもの行動の背景にある動機を丁寧に観察し、より適切な行動につなげるためのアセスメントや、行動への支援を行います。

◆五感を全力で使った多彩な体験
事業所にある砂場や、水、土、草木、風など自然の中で子ども達の興味を広げ、豊かな情操を養います。

◆自然なやり取りの中でのソーシャルスキルの習得
小集団の活動の中での、子ども同士、また大人も含めた環境の中で自然なやりとりを経験します。

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