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【作業療法士がやさしく解説】子どもの作業療法って?

2024.08.02

こんにちは、作業療法士のたき先生です。

本日は、作業療法について紹介していきます。

今回のテーマは「子どもの作業療法って?

近年、病院や発達支援センターのみならず、地域の療育施設でも「作業療法」「作業療法士」という言葉を耳にすることが増えてきました。

しかし、「作業療法って何?」と聞かれてもどこかふわっとしていて、どんな人が対象なのか、どんなことをしているのか、イメージが付きづらい方も多いかと思います。

そこで本日は、そもそも作業療法とは?という基礎的な内容や、実際の支援例を簡単に紹介していきます。

このコラムでわかること

1.作業療法って?
2.どんな子が対象?
3.どんなことをするの?
4.さいごに

1.作業療法って?

作業療法士は、国家資格を持ったリハビリテーションの専門職です。生理学運動学といった医学的な知識、育ちに関わる発達心理学の知識、作業科学の視点などを持って、育ちと生活を手助けします。

作業療法の「作業」というのは、日常生活で行う全ての活動を指します。例えば、遊びや食事、運動、学習など、これら全てを「作業」とまとめています。

作業療法士は、お子さんとの遊びを通して、この「作業」がどうやったら楽に、楽しく行えるのかというのを日々考えて関わっています。

自分の体の大きさが分かりづらいのかな?遊びを考えるのが難しいのかな?動くことで感覚刺激を取り入れているのかな?

このように、子どもの中で起こっていることを理解したり、考えたりするためには、医学的な知識や経験が必要な場合があります。理解しにくい障害の背景を説明し、お子さんの状態を保護者の方や周りの大人に伝えていきます。

2.どんな子が対象?

対象となるのは、「発達に遅れがある」「発達に偏りがある」「生活の中で困りごとがある」このようなお子さんとそのご家族です。

悩みの中には、こんなものがあります

•手先の使い方が不器用
•着替えの動作が上手くできない
•特定の匂いや感覚が苦手
•バランス感覚が悪い
•コミュニケーションを上手に取ることが難しい

これらの悩みの背景にはどんなことが考えられるのか、どんな力が育てば生活しやすくなるのかを一緒に考えていきます。

3.どんなことをするの?

作業療法士は、そのお子さんの生活全体を捉えた、幅広い支援を行っています。ここでは、その一例を紹介します。

感覚運動面
室内遊具やおもちゃを使って、日常生活動作や遊び、運動などの発達を促します。

例えば、トランポリンやはしご、ボールや積み木などの遊びを通して、身体の発達を促したり、上手な身体の使い方を教えたりします。

どの段階でつまづいているのか、どのような対応が必要なのか、これらを遊びの中で評価し、考えながら関わっています。

学習面
学習面に困りのあるお子さんに対しては、その子の作業がより楽に、そして楽しくなるように、発達に合った練習方法や補助具を提案します。

その子自身の能力を伸ばすことだけでなく、どう環境を設定したら生活がしやすいのかを検討し、それを周りの大人と共有することも大切です。

コミュニケーション面
集団の場面では、その子の特性に合った声かけや、見本の提示などにより、相手とのコミュニケーションを広げます。

一緒に協力して達成する経験を積んだり、相談して物事を決める機会を作ったりすることもあります。

4.さいごに

最後までお読みいただきありがとうございます。

ヒトツナでは、私を含め、複数の専門職が在籍しています。療育スタッフと専門職が連携することで、根拠のある質の高い支援を目指しています。

ヒトツナは現在、随時問い合わせ、見学・体験等受付中です。
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この記事を書いたのは

子どもの作業療法士たき こと、滝川航平先生です。

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