はじめまして。作業療法士のさえさんです。
私は作業療法士(以下OT)として14年間、病院や児童発達支援・放課後等デイサービスで働いてきました。私生活では、4歳の女の子を育てる親でもあります。
このコラムでは、子どもの発達や支援について、私が仕事でご質問いただいたことや共有したいことをお伝えしていきたいと思います。
子どもの作業療育って何するの?
まず、子どものOTってなにをするの?と思う方もたくさんいると思いますが、私は、お子さんの生活(=作業活動)が楽になる、楽しくなるお手伝いをすることだと思っています。
作業活動とは、遊びや生活の動作(食事や着替え)、勉強、運動など、子どもの生活に関わること全般です。
これらの作業がより楽しく、スムーズに行われるように、その子のコミュニケーション、姿勢運動・手先の発達、感覚の偏り、環境について分析し、より良い言葉かけ、関わり方、遊び方、道具、環境をOTが提供すると同時に、親御さんやその子の周りの支援者(園や学校の先生等)にもご提案します。
この記事のテーマは
今回のコラムは、「子どもに注意をする時に使いたい、伝わりやすい言葉かけ」について触れたいと思います。
例えば、子どもが車道を歩きそうな時、「車来るからこっち歩いて!」とか、コップをテーブルの端っこに置いて「そんなとこにコップ置いてると零れるよ!」とか、ついつい感情的に、曖昧な言葉かけをしていること、ありませんか?
子どもは(大人もですが)怒りながら言われるとその言葉の意味を理解しにくくなります。「あーまた怒ってる、怖い、早く終わらないかな」こんな気持ちで頭がいっぱいで、脳が言葉の意味理解を放棄する状態になります(私もそうでした・・・。)
じゃあどう伝えたらいいか?
それは「提案するように伝える」、として「出来たら褒める、もしくは感謝を伝える」の2つです!
子どもに伝わる言葉かけ
例えば車の場面では、「ピンクのとこ(歩道)歩くとカッコイイよ(車にぶつからないよ)」
➡見えるヒントを伝えて提案する。
少しでも歩けたら「歩けてるね!ママ(パパ)安心だよ、ありがとう。」
➡出来てることを認めて感謝する。
コップの場面では「コップはテーブルの真ん中に置くとかっこいいよ(素敵だよ、とかも私はよく使います)」
➡なるべく具体的に場所を伝えて提案する。
零れないとこに置いてくれたら「零れない所に置けたね!さすが!」
➡子どもの出来たことを具体的に伝えて褒める。
人間は感情をぶつけると、相手からも感情が返ってきます。なので、怒りながら伝えると「そんな言い方しなくてもいいじゃん!」と相手からも怒りが返ってきます。
ママもパパも、子どもを怒らせたいわけじゃない、むしろ心配して言ってるのに、それが正しく伝わらないことになってしまいます。
正直、1回やったからといって劇的に効果が出る方法ではありません。でも、怒りながら伝えるより、【伝えたい内容が正しく子どもに伝わる】方法ではあると思います。
つい感情的になってしまう、という方も、何回かに1回、試してみてください。そして、「怒らないで言葉かけできた!自分すごい!さすが!」と、自分自身を褒めてあげてください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
ヒトツナでは、私を含め、複数の専門職が在籍しています。療育スタッフと専門職が連携することで、根拠のある質の高い支援を目指しています。
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