「最低3人で開業できるって聞いたんです」
「人件費がかかるので、まずは社員2人とパート1人で始めたいんです」
セミナーや個別相談で、こんな声をいただくことがよくあります。
もちろん気持ちはすごくわかります。開業時のコストを抑えることは、経営戦略として当然の発想です。
でも、実際の支援現場と制度の現実を知っている私からすると──
**「それ、危険です。やめておいた方がいい」**と全力でお伝えしたい。
なぜなら、実際に最低人員での開業が原因で、現場が崩壊したケースを何度も見てきたから。
今日は、放課後等デイサービスの“人員配置”の落とし穴について、解説します。
その1:最低人員ギリギリで、許可が通らないこともある
放課後等デイサービスは、ただの民間サービスではありません。
都道府県などから「指定(=許認可)」を受けて運営する、公的な福祉サービスです。
そのため、職員数や配置の細かい部分まで、行政がチェックします。
実際には、
- 職員の休憩中も配置できているか
- 送迎に出ている間、残る職員で基準を満たしているか
といったことまで審査されるケースも多いのです。
つまり、「最低人員でギリギリ計算」では、書類上OKでも通らない可能性があるのです。
その2:現場の負担が限界を超える
仮に許可が通っても──
最低限の人数で現場を回すことは、かなりの無理を伴います。
子どもの支援だけでなく、
記録、送迎、連絡帳、保護者対応、掃除、日誌、加算書類の記入……
すべてを2〜3人でやるのは、相当ハードです。
その結果、
- 不満がたまる
- 離職が起きる
- 空気が悪化する
- サービスの質が落ちる
という負のスパイラルに陥ってしまう事業所もあります。
その3:新規利用を断らざるを得ず、成長が止まる
職員に余裕がないと、どうしても新規のご利用希望を断るしかなくなります。
- 定員が埋まらない
- 売上が伸びない
- 職員が増やせない
- 現場がずっとギリギリ
という状況が続くと、経営も支援も成長できず、停滞してしまいます。
そういった状況下では、まさに福祉従事者の奉仕や慈愛の心に依存した運営になりやすく、職員の心は疲弊し、本当であればかなえたかった「質の高いチーム支援」から遠ざかる一方となってしまいます。
ギリギリの運転は、志の高い職員の心を砕き、支援者としての無力感を感じさせる最悪の状況です。
その4:欠勤1回で、減算対象になる
人間ですから、誰だって体調不良になります。
でも、最低人員で運営していると、たった1人の欠勤で報酬の減算対象になってしまうことも。
インフルエンザ、子どもの発熱、交通事情…
リスクは日常の中に溢れています。
「1人欠けたら回らない」状態での開業は、持続可能性がないんです。
その5:定員100%前提の計画は超・危険
人員がギリギリなのに「定員10名が毎日埋まる前提」で計算する。
これ、現場的には限界運転です。
突発的なトラブルや支援の濃淡に対応できる余裕がなくなり、
最悪の場合、事故や不適切支援につながる可能性も。
福祉は「とりあえず回せばOK」ではなく、安全で温かな環境を提供することが第一です。
人員配置に“ゆとり”を持つことは、経営にも支援にも効く
国が定める人員配置は「このラインは守ってね」という最低基準。
本当に良い支援・安定的な経営を目指すなら、
“余白”を見込んだ人員配置を前提にした設計が必要です。
それは決して贅沢ではなく、
- 離職を防ぎ
- 利用者様に安定した支援を届け
- 経営を安定させる
ための、**“投資”**だと思っています。
まとめ|本当に持続可能な、ちゃんとした放課後等デイをつくるために
福祉の現場は、経営者の想像以上に“人の力”に支えられています。
最初の1歩を、ギリギリで踏み出すのか。
ちゃんと余白を持って踏み出すのか。
その違いが、数ヶ月後、1年後、3年後に大きな差を生みます。
最低人員での開業を選んでしまう前に、
ぜひ一度、現場や制度のリアルを知る私たちにご相談ください。
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