
はじめに
放課後等デイサービスの仕事は、子どもの「できた!」に立ち会える素晴らしい仕事です。
しかし一方で、職員として働いていると「もっとこうできるはずなのに」「今の環境では限界がある」と感じることも多いのではないでしょうか。
でも、それは決して“弱さ”ではなく、この仕事に真剣に向き合っているからこそ生じるもの。
そして、その“モヤモヤ”は現場スタッフだからこそ気づける大切なサインです。
今回は、専門家の立場から「職員が感じやすい痛み(課題)」を整理しながら、その解決策や新しい選択肢についてお話しします。
感情面の痛み
放課後等デイサービスの仕事って、嬉しい瞬間と大変な瞬間がいつも隣り合わせです。
子どもが「できた!」「先生、見てて!」と笑顔を見せてくれたときの喜びは、何にも代えられません。
でもその一方で、心の中ではこんな気持ちがぐるぐるしていませんか?
「今日の支援、本当にこれで良かったんだろうか」
「もっとできることがあったんじゃないか」
「保護者の方にうまく伝えられなかったかもしれない」
そんなふうに、自分を責めるような気持ちになってしまうこと、ありますよね。
しかも、子どもの成長はすぐに目に見えるわけではなくて、変化が出るまでに時間がかかる。だからこそ「自分は意味のある支援ができているのか」と不安になってしまうのです。
これは、あなたが真剣に子どもや保護者と向き合っている証拠なんです。
むしろ、感情が揺さぶられるのは「一人ひとりを大切にしようとしているから」こそ。
だからこそ必要なのは、“一人で抱え込まない仕組み”です。
- 小さな変化をきちんと記録して、「ちゃんと進んでる」と自分でも実感できるようにする
- チームで悩みを共有して「同じ気持ちを抱えているのは自分だけじゃない」と安心する
- 保護者対応は“型”を身につけて、毎回ゼロから悩まなくてもいい状態をつくる
感情労働の大変さは、工夫次第で和らげられます。
そしてその安心感が、また子どもと保護者へのより良い支援へとつながっていくんです。
業務面の痛み
現場で働いていると、とにかく「やることが多すぎる!」と感じることもしばしば。
送迎に支援に記録に事務…気づけば一日が終わっていて、「今日は子どもとゆっくり関われなかったな」と反省することもありますよね。
さらに、「今日こそは○○を仕上げたい」と思っていても、急な欠員が出るだけで現場はドタバタ。
お昼を急いで食べてまた走り回る──そんな日も珍しくありません。
でもこれも、支援職が怠けているからではなく、仕組みや体制が整っていないから起こることなんです。
- ルールやシステムで職員間のやり取りを効率化する
- 勤怠管理についての意識を高め、欠勤が起きにくい風土づくり
- 効果的に労働時間を分散・集約させ、やるべき時にやるべきことに打ち込める動静表を作っておく
こうした工夫を積み重ねることで、子どもと向き合う時間を増やせます。
そしてそのことが、保護者にとっても「安心して預けられる場所」につながっていくんです。
環境面の痛み
「”処遇改善加算”を取っているはずなのに賞与や給与でもらえていないような気がする」
「キャリア体系が分からない、このまま働き続けて将来どうなるんだろう」
現場のスタッフから、こうした声を聞くことも少なくありません。
環境面といっても、様々な観点があると思いますがここでは、「労働者」としてみた環境に焦点を当ててみたいと思います。
正直、これは個々の職員の努力の問題ではなく、経営の在り方が大きく影響している部分かもしれません。
事業所の収益構造や経営方針によって、待遇改善やキャリアの道筋は大きく変わります。
たとえば、稼働率が安定していて経営者が人材投資を重視していれば、給与や研修体制は整っていきます。
逆に「最低限まわせればいい」という考え方の経営だと、どうしても待遇や環境改善は後回しになってしまいます。
また、施設環境についても同じです。
「もっと広いスペースで活動したい」「もっと安全に工夫したい」──そうした思いは現場から自然に出てきますが、それを実現できるかどうかは、経営者がどれだけ現場の声を拾い、投資するかにかかっています。
解決のヒント
- 事業所全体で収益構造を見直し、稼働率改善を全社一丸の課題として取り組む
- 経営者がキャリアパスや研修体制を明確にし、未来を描ける職場をつくる
- 小さな環境改善でも「現場の声を反映する」姿勢があるだけで、働きやすさは変わる
つまり、環境面のモヤモヤは「自分では変えられない」と思いがちですが、経営者と働く側の相互理解と協働によって、大きく変わる部分なんです。
だからこそ、将来を考えるときに「どんな経営の下で働くか」も重要な視点になります。
もう一つの選択肢「開業」
中には、「もし自分で理想の環境をつくれたら…」と考える方もいるかもしれません。
もちろん、資金や制度の壁はあります。責任も大きいです。
でも、自分の理念を形にした放課後等デイサービスをつくれるのは、現場を知っている支援職だからこそ。
「こんな支援がしたい」
「こんな場をつくりたい」
そう思ったときに、それを形にできる可能性があるのが“開業”です。
また、開業という選択肢を選ぶかどうかのスタートラインに立った時、経営者の立場ではどうだったか、という視点に気付くことができ、現状抱えている事業所の問題も、経営者との対立構図ではなく「協働で解決できることがあるのではないか?」と気づくことができるかもしれません。
「自分にもできるかな」と不安に思われる方は、ぜひ一度個別相談にご予約下さい。
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