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【5領域】ガイドラインに基づく「健康・生活」の視点とは~放課後等デイサービス編~

2024.08.24

児童発達支援・放課後等デイサービス ヒトツナフランチャイズ本部の遠藤です。
今日は、療育の「5領域」についてお話です。

以前から児童発達支援のガイドラインには記載がありました「5領域」ですが、今年度より児童発達支援及び内容を新たに放課後等デイサービスでも、支援内容に盛り込んでいくことが求められるようになりました。

ただ、“求められるようになった”から、やるのではなく、実際お子様たちの育ちを総合的に観察し表面化している困りごとの背景を探ろうとする過程で、この5領域は自然と網羅されていくものと考えています。

放課後等デイサービスにおける「健康・生活」とは

放課後等デイサービスにおける「健康・生活」では、次の内容がねらいとして示されております。

〇健康状態の維持・改善
〇生活リズムや生活習慣の形成
〇病気の状態の理解と生活管理
〇身体各部の状態の理解と保護
〇障害の特性の理解と生活環境の調整
〇生活におけるマネジメントスキルの獲得

健康状態の維持・改善

健康な心と体を育て自ら健康で安全な生活を作り出すことを支援する、ということで児童発達支援と異なり「自ら」というワードが入っています。また、障害により運動量が少なくなったり、体力が低下したりすることを防ぐために、日常生活における適切な健康の自己管理ができるように支援する、とされており、こちらも、小学生から高校生まで幅広く対象としている放課後等デイサービスでは就学児というよりも成人後の生活を意識した支援内容になっていると感じますね。

生活リズムや生活経験の形成

睡眠、食事、排泄等の基本的な生活習慣を形成し、健康状態の維持・改善に必要な生活リズムを身につけられるよう支援するとともに、衣服の調節、室温の調節や換気、感染予防など、健康な生活環境への配慮を行います。ここでは、乳幼児期から育んできた基本的技能を活かして、生活習慣を自ら維持しようとしたり、自ら快適な空間をつくるためのスキルを学ぶ機会を設けることも必要だと読み取れます。

病気・身体・特性理解

医療機関や保護者と連携を図りながら、自分の病気の状態を理解したり、発達の段階に応じて、身体各部の状態や、障害特性を知り、それらがおよぼす生活上の困難について理解を深めることを支援します。自分自身の体や特性を知ることで、状況に応じて、自分自身で苦痛に気付き対処する方法を身に着けたり、他者に対して主体的に手助けを求めるなどの働きかけたりして、より学習や生活をしやすい環境にしていくための支援につなげていきます。

生活環境を整える

生活の中で、様々な遊びや体験の機会が適切に得られるよう周りは環境調整を行います。また、障害の特性に配慮し、時間や空間を本人に分かりやすく構造化することで「自分でできた」、「誰の助けも借りずにできた」という経験を増やしていくことも自己肯定感に繋がる大切な機会です。何でもサポートしている段階から、自分でできる喜び、自立に向かう芽生えを大切に過ごす段階へと繋げていきましょう。

自己決定・自己選択

自分で何をするかアイデアを出しながら、自分の生活をマネジメントすることができるよう、こどもの意向を受け止めながら、自分で組み立てて、出来る行動を増やしていきましょう。特に小学校高学年頃になると、事業所での活動よりも学友との時間を求めるようになったり、自分一人の余暇の時間を大切に思う気持ちが芽生えます。その時にその子の意向を尊重し環境を提供できるよう、危機管理力を育てたり、認知・行動等の他の領域の育ちもたしかめながら、移行していきましょう。

自立に必要なスキルとは

放課後等デイサービスで評価が求められる「適応行動」については、その機能として社会性という領域があります。社会性では、コーピングスキルといい、自分自身がストレスを感じたときに自分で持ち合わせている対処法です。大人になる過程で認知も発達し、嫌だと思う事や自分の意思では変えられない事が沢山あるという事に気付き葛藤したり折り合いをつけるプロセスを経験します。その中でも自分のストレスを緩和させる方法を知っていることはとても大切なことです。

自分を知るから対処できる

自分が不快に思う感覚や、自分が不機嫌になる要素を自分で分かっていれば、それを回避するようになったり、もし回避できない場合は身体的・精神的に他の方法で満たすことでストレスを緩和させようとすることができるのです。健康・生活とは肉体的な健康のみならず、精神的・社会的な健康も含め、一人ひとりのウェルビーイングを実現するためにとても大切な要素になります。

さいごに

ヒトツナグループでは、全国各地での開業サポート中です!
ヒトツナの原点は、小手先の預かり支援ではなく質の高い療育を、一人でも多くのお子様に提供したいという 「障害児の親」である創業者の思いで始まっています。障害を障害としてとらえてレールに乗った教育をするのではなく 「どうすればその子が生きやすくなるか」を一緒に考え伴走することこそが療育なのではないか? 子どもたち一人一人にどう向き合い、技術や知識をどう実際の支援に落とし込めるかが重要であると私たちは考えております。 「誰か一人でも、世の中に自分の事をわかろうとしてくれる人がいる。」 この、居場所感や大きな器こそが発達障害の支援には欠かせないと思い人との繋がりをテーマにした施設を立ち上げました。私たちヒトツナ本部だけではなく今後は同じ志の皆様と資源を共有し 一人でも多くの親御様とお子様の手助けができたらと考え フランチャイズを始めさせていただきました。