
放課後等デイサービスの現場では、「うちの子、忘れ物が多くて…」「落ち着きがなくて心配です」というご相談をよくお伺いします。
そんなときに出てくる言葉のひとつが ADHD(注意欠如・多動症) です。
最近ではSNS等でも「ADHDのチェックリスト」等が出回っており、早期に診断への気づきがつながる点は良い部分だと考えることもできますが、チェックリストだけを見ると誰にでも当てはまりそうな内容もるため、
「ちょっと元気すぎるだけじゃないの?」
「親のしつけの問題なのでは?」
そんな誤解を受けることも少なくありません。
でも実際には、ADHDは 脳の働きと深く関わる発達障害 であり、子どもや大人の生活に影響を及ぼす特性があります。
この記事では、初めてADHDを学ぶ方に向けて、
- ADHDの診断基準
- ドーパミンとの関係
- 二次障害のリスク
- 日常生活での支援ポイント
をできるだけやさしくお伝えします。
「知ること」から、子どもたちを支える一歩を踏み出していきましょう。
ADHDの診断基準
ADHDの中心となる特性は、大きく分けて 不注意 と 多動・衝動性 の2つです。
- 不注意
活動に集中できない/気が散りやすい/忘れ物が多い/順序立てて取り組めない など - 多動・衝動性
じっとしていられない/静かに遊べない/順番を待つのが苦手/他人のじゃまをしてしまう など
診断にあたっては、これらの症状が 同じ年齢の子どもに比べて強く、頻繁に認められること が大前提です。
加えて、以下も重要な基準になります。
- 症状の一部が 12歳以前 から見られること
- 家庭や学校など複数の場面で生活に支障が出ていること
- 学業・仕事・対人関係に実際の困難が生じていること
ADHDとドーパミンの関係
ADHDには、脳内の ドーパミン という神経伝達物質が大きく関係しています。
ドーパミンは「やる気・報酬・快感」を司り、前頭前野や線条体などの脳の報酬系で重要な働きをしています。
ADHDの人では、このドーパミンの 分泌や受け取りの仕組みに不具合がある場合が多いと考えられています。
そのため…
- 通常なら「小さなご褒美」でやる気が出るところを、強い刺激や即時的な報酬でないと続かない
- 注意を維持しにくく、感情のコントロールも難しくなりがち
こうした脳の仕組みの違いが、行動の特性につながっています。
二次障害が起こりやすい理由
ADHDそのものの特性よりも、失敗体験や叱責の積み重ねが心をすり減らしてしまうことがあります。
それが不安やうつ、自信の喪失といった 二次障害 につながりやすいのです。
だからこそ、
「この子はわざとやっているわけではない」
「努力しているけれど仕組みが違うだけ」
と周囲が理解して受け止めることが、安心と自己肯定感を守る第一歩になります。
支援のポイント
ADHDの子どもたちを支えるために、次のような工夫が役立ちます。
- 小さな成功体験を積ませる
- スケジュール表やタイマーなど、特性に合ったツールを使う
- 集中を妨げる環境刺激を減らす
「できないことを責める」のではなく、「できる形を一緒に探す」姿勢が大切です。
そうした積み重ねが、子どもたちの自信と笑顔につながっていきます。
まとめと次の一歩(支援職・開業希望者向け)
ADHDの理解は、支援の現場や事業運営に欠かせない知識です。
子どもたちの特性を正しく理解し、適切な関わりを積み重ねていくことが、安心できる居場所づくりにつながります。
ヒトツナでは、
- 支援職としてスキルを高めたい方
- 発達支援の事業を始めたい方
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