放課後等デイサービスを開業したい――
そう考えたときに、多くの方が気にするのは「開業資金」や「物件」ですが、実はもっと大切なポイントがあります。
それは、「子どもが安定して通ってくれる仕組みをつくること」。
どんなに理念が素晴らしくても、子どもが来てくれなければ事業は成り立ちません。
そして、子どもが来ない日が続くと、支援の機会も、スタッフのやりがいも失われていきます。
そんな中でヒトツナ本部が取り組んでいる、「欠席ゼロを目指す教室運営の秘訣」についてお話致します。
放課後等デイサービスは「労働集約型モデル」
放課後等デイサービスは、定員・面積・人員配置が法律で定められています。
つまり、子どもが来ても来なくても、家賃や人件費などの固定費は毎月同じようにかかるという構造です。
これは飲食業でいえば、「席が空いていても家賃は変わらない」のと同じ。
いわば、“人”と“時間”の上に成り立つ労働集約型の福祉サービスです。
だからこそ、
- 利用者が来てくれない=売上が立たない
- キャンセルが増える=固定費だけが残る
という経営構造になりやすい。
稼働率の安定こそが、支援の継続を守る力になります。
欠席が起きる理由を「数字」でなく「背景」で見る
欠席が多い教室では、「体調不良」「家庭都合」「送迎トラブル」などの表面的な理由の裏に、実は必要な支援が隠れていることがよくあります。
- 子どもが活動に楽しみを感じられていない
- 子どもが学校や園に行き渋りがあり、療育に通う全段階で不適応を起こしている
- 子どもが療育に行きたがらない(他児との関係、スタッフとの関係等)
- 保護者が不安を感じている
- スタッフ間の情報共有が途切れている 等・・・
欠席を「結果」ではなく、「サイン」として見立てる視点が大切です。
そのため、まずは欠席時の背景を“丁寧に聴く文化”をつくることが大切です。
家庭との関係構築
同時に、家庭とのコミュニケーションは、通所継続の基盤になります。
欠席フォローを“ただの出欠確認業務”ではなく“つながりの再確認”として位置づけます。
- 欠席時にはご様子のお伺いとともに、次回来所へのメッセージを伝える
- その子の様子をスタッフ同士で共有しておく
- 支援の必要性に気付いたら、家族支援(面談)や関係機関連携(学校訪問等)も提案してみる
こうした小さな積み重ねが、「この教室は気にかけてくれる」という安心につながります。
“気にかける文化”こそが、保護者様とのつながりを強くしていきます。
子どもが“行きたくなる”活動設計
子どもが通いたくなる理由は、「楽しさ」だけではありません。
「自分の意見を伝えられる」「認められる」「安心できる」という体験があるかどうかです。
- 活動を選べる時間を設ける(選択制)
- 成功体験を見える形にする(シール帳・達成カード)
- 音・光・人の密度など環境を調整する
- 興味関心や好きが発展して、少しずつチャレンジの幅がひろがる
こうした活動の工夫は、行き渋りの軽減にもつながります。
子どもが「今日も行きたい」と思える瞬間をどう増やすか——
それが根幹です。
チームで支える稼働率改善
稼働率は経営指標であると同時に、チーム支援の健全性を映す鏡でもあります。
個人責任ではなく、「チーム課題」として共有していくことが重要です。
- 欠席理由を“支援の視点”で共有するミーティング
- 児発管・スタッフ・経営者の三層でPDCAをまわす
- 結果よりも過程を大切にし、結果を急がない
数字を追うよりも、チームで前向きに支援を見直すことが、そして、プロセスを丁寧につむぐことが、結果として稼働率の安定につながります。
まとめ
欠席対策とは、“信頼を積み重ねること”。
稼働率アップとは、“支援を続ける力を育てること”。
子どもが「行きたい」、家庭が「安心して任せたい」、スタッフが「働き続けたい」。
そのすべてを守るために、稼働率の安定化は欠かせません。
数字を超えて、“つながり”で強い教室をつくっていきましょう。
📩 ヒトツナ本部では、開業前後の運営相談・稼働率改善のサポートを行っています。
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