
「放課後等デイサービスを開業したいけれど、どこから手をつけたらいいのかわからない」
そんなご相談を多くいただきます。
放課後等デイサービス(以下、放デイ)は、障害のある子どもたちの放課後支援を行う福祉事業でありながら、運営には制度理解・人員確保・行政協議・資金計画といった経営的な視点が欠かせません。
この記事では、全国で複数教室を運営している筆者が、
放デイ開業の流れを「初心者でも失敗しないように」丁寧に解説します。
最後には、開業後も伴走サポートを受けられるフランチャイズ方式の選択肢もご紹介します。
目次
- 放課後等デイサービスとは?
- 開業までの全体スケジュール
- 開業の流れ【7ステップ】
- よくある失敗と回避策
- 必要な人員・設備基準
- 開業資金と融資のポイント
- 開業を成功に導く「伴走型サポート」
放課後等デイサービスとは?
放課後等デイサービスは、障害や発達の課題を持つ6歳〜18歳の子どもを対象に、
放課後や長期休暇中の支援を行う通所型の福祉サービスです。
目的は、「自立支援」や「社会性の育成」。
児童福祉法に基づく事業であり、市区町村の指定を受けて運営します。
開業までの全体スケジュール(目安:6〜9か月)
月数 | 主な内容 |
---|---|
1〜2か月目 | 物件探し・法人設立・市場調査 |
3か月目~ | 工事打合せ・行政確認・事業計画策定・融資申請 |
4か月目~ | 融資内定・採用・行政協議・工事・営業 |
5か月目~ | 指定申請・備品設置・研修・教材準備等 |
6か月目~ | 実地確認・事業指定・開所 |
行政協議のタイミングは地域により異なるため、早めの相談が成功の鍵になります。
行政によっては、事前の開業説明会への参加を必須としていたり、相談時期に決まりがありますのでご注意下さい。
開業の流れ【7ステップ】
Step1|理念・コンセプトを定める
「どんな子どもに、どんな支援を届けたいか」を明確にします。
この理念が採用・支援方針・運営方針すべての軸になります。
未経験・無資格から事業に挑戦することは可能ではありますが、その場合、共に働いてくれる支援者(求職者)の方に自分の思いを伝えることができなければ、どんなに思いがあっても事業所運営を軌道に乗せることは難しいです。
Step2|法人設立と経営計画
株式会社、合同会社、NPO法人など運営形態を選択。
収支計画を作成し、融資申請の準備を進めます。
計画段階で「人件費率」や「定員充足率」を十分に検討しておきます。
Step3|物件選定と法的チェック
建物は「建築基準法」「都市計画法」「消防法」に適合している必要があります。
特に用途地域・検査済証の有無・必要な消防設備は行政に確認しましょう。
物件を契約する前に必ず行政協議を行うことが、トラブルを防ぐ最大のポイントです。
Step4|人員採用と体制づくり
- 管理者:常勤1名
- 児童発達支援管理責任者:常勤1名
- 児童指導員等:児童10名に対して2名以上(内1人は常勤)
採用後は「虐待防止委員会」など、法定で求められる委員会等を行う体制も整える必要があります。
人材がそろわないと申請自体ができないため、採用活動は早めに始めましょう。
Step5|行政協議と指定申請
開設予定地の市区町村福祉課に事前相談を行い、必要書類を準備します。
主な書類は以下のとおりです。(例)
- 運営規程
- 平面図
- 勤務表・組織図
- 資金計画書
申請不備があると数週間〜数か月の遅れが出るため、慎重に進めることが大切です。
自治体によっては意見書を交付するプロセスが必要な場合や、そもそも市区町村福祉課での事前相談を必要としないケースも様々です。
Step6|内装・設備・安全管理
面積基準(発達支援室:児童1人あたり2.47㎡~4㎡以上等)、その他必要設備(事務室・相談室等)、避難経路、防火設備などを整備します。
安全管理体制も同時に計画しておきましょう。
Step7|指定通知・開所準備
行政の現地確認後、指定通知書を受領します。
スタッフ研修、保護者説明会、送迎体制の最終確認を行い、いよいよ開所となります。
よくある失敗とその回避策
よくある失敗 | 回避策 |
---|---|
物件を先に契約して開業不可に | 用途確認と行政協議を必ず先に行う |
最低人員で運営して休業状態に | 欠員リスクを見込んだ採用計画を立てる |
資金計画をよくみせて借入をおさえた | 資金計画の甘さから融資も事業も失敗する |
理念が不明確で採用・支援が迷走 | 開業前に理念を言語化しておく |
必要な人員・設備基準(令和6年度対応)
区分 | 人員基準 | 主な資格例 |
---|---|---|
管理者 | 常勤1名(兼務可) | 経営経験等 |
児発管 | 常勤1名 | 経験5年以上+研修修了者 |
児童指導員等 | 児童10名に対して2名以上 | 保育士・教員・PTなど |
開業資金と融資のポイント
初期費用の目安は1,500〜2,000万円です。
主な内訳
- 物件・内装工事:400〜600万円
- 人件費(開所準備期含む):900万円
- 備品・広告費:100〜200万 等
融資の例
- 日本政策金融公庫「ソーシャルビジネス支援資金」等
- 信用保証協会付き融資「起業家育成資金」等
開業を成功に導く「伴走型サポート」
放課後等デイサービスの開業は、制度・現場・経営の3要素がそろって初めて安定します。
「開業できたけれど運営がうまくいかない」「人が定着しない」など、開所後の課題も多いのが現実です。
そこで注目されているのが、フランチャイズ方式による伴走支援です。
ヒトツナフランチャイズでは、開業前の物件・申請・採用支援に加え、
開業後も定期訪問や運営相談を通して継続的にサポートしています。
開業だけで終わらせず、地域に根付く教室をつくりたい方へ。
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