自閉症の「考え方のクセ」5選|認知の歪みと家庭でできる関わり(認知行動療法)
「少し注意しただけなのに、“もうダメだ…”と崩れてしまう」
「1回の失敗で全部嫌になってしまう」
そんな様子を見て、どう関わればいいのか悩んだことはありませんか?
これは、わがままでも性格でもありません。
“考え方のクセ(認知の特徴)”です。
この記事では、自閉症の子どもに見られやすい「認知の歪み」を5つに整理し、さらに家庭でできる関わり方として認知行動療法(CBT)の考え方まで解説します。
自閉症の「認知の歪み」とは何か
認知の歪みとは、物事の受け取り方に偏りがある状態のことを指します。
実はこれは誰にでもあるものですが、自閉症の子どもは
・極端になりやすい
・柔軟に修正しにくい
という特徴があります。
つまり、「間違っている」のではなく、
“そう見えている世界が違う”ということです。
自閉症の考え方のクセ5選
① 全か無か思考(白黒思考)
0か100で考えてしまうクセです。
例えば
・少し怒られた →「全部ダメ」
・1問間違えた →「もう無理」
「まあまあできた」というグレーが存在しにくい状態です。
② 過度の一般化
1回の出来事を「ずっとそう」と捉えてしまいます。
・友達に断られた →「もう誰とも遊べない」
・失敗した →「自分はできない」
経験が“固定化”されやすい特徴があります。
③ マイナス化思考
できていることより、できていないことに意識が向きます。
・9個できた → 1個の失敗だけを見る
・褒められても受け取れない
「できている現実」が見えにくくなります。
④ 感情的決めつけ
感じたことが、そのまま事実になってしまいます。
・嫌な気持ち →「嫌われている」
・不安 →「きっと失敗する」
感情と現実の区別が難しい状態です。
⑤ 過大解釈
小さな出来事を大きく捉えてしまいます。
・注意された →「もう終わり」
・予定変更 →「最悪」
未来まで一気に悪い方向へ想像が広がります。
なぜこのような認知が起きるのか
自閉症の特性として
・前頭前野(調整・柔軟性)
・扁桃体(不安・恐怖)
このバランスの違いが影響していると言われています。
そのため
「考え方を変えよう」と言われても難しい
という前提を持つことがとても重要です。
家庭でできる認知行動療法(CBT)の関わり
ここからが一番大切です。
認知行動療法とは
「考え方(認知)と行動の両方から整えていく方法」
ただし、自閉症の子どもに対しては
考え方を直接変えようとするよりも
行動や環境から整えることが有効です。
① 思考を見える化する
「今どう思った?」と聞き、言葉にしてもらいます。
ポイントは
否定せず受け止めること
「そう思ったんだね」でOKです。
② 事実と解釈を分ける
例:
事実:1問間違えた
解釈:「全部ダメ」
この2つを分けて伝えます。
「全部じゃなくて、1問だけだね」
“正す”のではなく、“分ける”ことが大切です。
③ 別の考え方を一緒に探す
「他の見方あるとしたら何だろう?」
と一緒に考えます。
例:
「間違えた → 練習できた」
考え方は1つではないと経験させることが重要です。
④ 行動から変える
実は、認知より行動の方が変えやすいです。
・失敗後すぐ次の行動へ
・成功体験を積む流れを作る
行動が変わると、認知も変わっていきます。
⑤ 小さな成功を積み上げる
認知は経験によって更新されます。
・できたことを言語化
・見える形で残す
「できた証拠」を脳に残していくことが重要です。
まとめ
認知の歪みは、直すものではありません。
付き合い方を学ぶものです。
この子たちは
間違っているのではなく、
その世界の中で一生懸命生きています。
だからこそ
大人が“翻訳者”になることが支援です。
さいごに
発達支援は、「特別なこと」ではありません。
日々の関わりの中で、少し視点を変えること。
それだけで、子どもの見えている世界は変わります。
ヒトツナでは、こうした視点を大切にしながら
支援と経営の両方を学べる環境を整えています。
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