「学校では問題ありませんと言われるのに、家では毎日大荒れ…」
「先生からは“しっかりしています”と言われるのに、家ではすぐ怒る」
「外ではいい子なのに、お母さんにだけ暴言を吐く」
そんなお悩みを抱えていませんか?
保護者の方の中には、
- 私の育て方が悪いのかな
- 甘やかしすぎたのかな
- どうして家でだけこんなに荒れるんだろう
と、自分を責めてしまう方も少なくありません。
しかし、まずお伝えしたいことがあります。
家で荒れるからといって、必ずしも育て方が原因とは限りません。
もちろん関わり方を工夫することは大切です。しかし、その前に知っていただきたいのは、子どもの行動には必ず理由があるということです。
今回は、
- なぜ学校では頑張れるのに家で荒れてしまうのか
- その背景には何があるのか
- 私たちはどのように関わればよいのか
について、支援現場での経験も交えながらお話しします。
なぜ学校では頑張れるのに、家でだけ荒れてしまうのか
① 外で頑張りすぎてエネルギー切れになっている
学校は、子どもたちにとって想像以上にエネルギーを使う場所です。
- 授業を受ける
- 先生の話を聞く
- 友達との関係を考える
- ルールを守る
- 周囲の空気を読む
特に発達特性のあるお子さんの場合、私たち大人が思っている以上に神経を使っています。
例えば、
- 「次は何をするんだろう」
- 「間違えたらどうしよう」
- 「怒られないかな」
そんな不安を抱えながら一日を過ごしていることもあります。
そして帰宅する頃には、心の電池がほとんど空っぽになっているのです。
家に帰った瞬間にイライラしたり、些細なことで爆発したりするのは、単なるわがままではなく、エネルギー切れのサインかもしれません。
② 外では過剰適応している
支援現場で非常によく見られるのが「過剰適応」です。
学校では、
- 問題ありません
- しっかりしています
- 手がかかりません
と評価される子がいます。
しかし、家ではまるで別人のようになることがあります。
実はこれは、「適応できている」というよりも、無理をして頑張り続けている状態なのかもしれません。
本当は、
- 不安が強い
- 疲れている
- 助けてほしい
そんな気持ちを抱えていても、それを学校で出せない子もいます。
だからこそ、安心できる家庭で気持ちが一気にあふれてしまうのです。
- お母さんにだけ暴言を吐く
- お母さんだけ叩く
- 物に当たる
- 兄弟姉妹にきつく当たる
もちろん望ましい行動ではありません。
しかし、「なぜそうなっているのか」という視点を持つことはとても大切です。
学校でできているから、家でもできるはず。
そう単純には考えられないケースも多いのです。
③どこかのストレスが高くなっている
私が保護者の方によくお話しする例えがあります。
それが「穴の開いたバケツ」の話です。
子どもが荒れているとき、大人はどうしても目の前の行動を止めたくなります。
- 暴言をやめさせたい
- 叩くのをやめさせたい
- 物に当たるのをやめさせたい
もちろんそれも大切です。
しかし、それだけでは十分ではありません。
なぜなら、それはバケツの穴を急いでふさぐことだけに集中している状態だからです。
バケツから水が漏れていたら、普通は穴をふさごうとします。
でも本当に大切なのは、
なぜその穴が開いたのかを考えることです。
例えば、
- 学校で何か嫌なことがあったのか
- 友達関係で悩んでいないか
- 最近環境の変化がなかったか
- 感覚的な疲れはないか
- 頑張りすぎていないか
こうした背景を見ることで、初めて本当の支援につながります。
支援は「点」ではなく「流れ」で考える
今日荒れた。
昨日も荒れた。
そうした目の前の出来事だけを見るのではなく、
少し離れて全体の流れを見ることが大切です。
俯瞰して見てみると、
- 月曜日に荒れやすい
- 行事の前後に不安定になる
- 宿題が多い日に爆発しやすい
など、これまで見えなかったパターンが見えてくることがあります。
負担が大きければ、またあふれてしまう
仮にバケツの穴をふさいだとしても、上から大量の水が注がれ続ければ、またすぐにあふれてしまいます。
子どもも同じです。
どれだけ表面的な対応をしても、
子ども自身にかかる負担が大きすぎれば、再び爆発してしまう可能性があります。
だから考えたいのは、
「どうやって荒れなくするか」
だけではありません。
むしろ、
「この子は今どれだけ頑張っているのだろう」
「どれだけ負担を抱えているのだろう」
という視点なのです。
まとめ
学校ではいい子なのに、家でだけ荒れてしまう子。
その姿を見ると、保護者としてはとても苦しく、不安になることもあると思います。
しかし、その行動の背景には、
- 外で頑張りすぎている
- 過剰適応している
- 心のエネルギーが尽きている
- 何らかの負担を抱えている
といった理由が隠れていることがあります。
大切なのは、目の前の行動だけを見るのではなく、その背景にある気持ちや負担に目を向けることです。
「どうしてこんなことをするの?」
ではなく、
「この子は今、何に困っているのだろう?」
そんな視点を持つことが、子どもへの理解と支援の第一歩になります。
保護者の皆さんが一人で抱え込まず、お子さんのサインを一緒に読み解いていけることを願っています。
子どもの行動の背景を理解する支援を、一緒に広げませんか?
今回お話ししたように、子どもの行動には必ず理由があります。
私たちは「問題行動をなくすこと」ではなく、子どもたちが抱えている困りごとや生きづらさを理解し、その子に合った支援を届けることを大切にしています。
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