こんにちは、発達支援Laboランプです。
ここでは、定期的に療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信をしています。
今回のテーマは「発達段階における『次のステップ』に進むタイミングについて」です。
発達段階とは、子どもが成長する過程で徐々に達成していく一連のステップを指します。これらのステップは、身体的、認知的、感情的、社会的な側面での進歩を表します。それぞれの子どもがそれぞれのペースで成長し、次のステップに進むタイミングは一様ではありません。また、発達は直線的な進行ではなく、時には停滞や後退も見られることがありますが、これらも大切な発達過程の一部です。保護者や支援者が「そろそろ次のステップに…」と思うことは自然なことです。しかし、次のステップに進むタイミングは慎重に見極める必要があります。このような理解をもとに、適切な時期を見極めていくことが重要になってくると考えられます。
1,発達のマイルストーン(指標)を理解する
発達のマイルストーンは、成長の進捗状況を追跡するための基準です。これらは、身体的、認知的、感情的、社会的発達など、さまざまな領域で異なります。
2,準備の観察
次のステップに進む準備を判断するためには、注意深い観察が不可欠です。子どもが進む準備ができていることを示す具体的なサインや行動を理解しましょう。
3,特殊な条件下での達成について
たとえば、何か発達の段階等のチェックリストなどの項目で「〇〇することができる」と評価するような場面において、その能力が、特別な環境や特定の人物との関わりの中で発揮されることがあります。しかし、これらの特別な条件下での達成は、必ずしも完全な「できる」には含まれません。このような状況は、未達成または能力が芽生え始めた時期と考えるのが良いでしょう。「では、他にどのような環境下、どのような人物と共にある時に達成できるのか。」、「そうした条件はどうすれば拡がっていくのか、条件には何か法則があるのか。」等、見極める上での観察が非常に重要です。
4,忍耐の役割
子どもがそれぞれのペースで成長することが許される、いわば「忍耐」、待つことの重要性と必要性が強調されます。発達段階を急ぐことには潜在的なリスクが伴い、子ども本人の不安の増加や自信の低下に繋がってしまう恐れがあります。
5,移行のサポート
子どもが次の段階に進む際の実践的なサポート方法として、励ましと安心感を提供すること、適切な挑戦と練習の機会を与えること、支援的且つ刺激的な環境を整えることが挙げられます。特に、子どもが興味を持ち、探究心を刺激される環境を整えることで、自主的に学び成長する機会を確保することが肝要です。
6,ガイダンスと自律のバランス
子どもを導くことと自律を許すことのバランスが、非常に重要です。大人がいつ後ろに下がり、子どもがリードを取るのを許すべきか。もちろん必要な時には適切な指示やアドバイスを提供し、困難を乗り越えられるようなサポートが必要ですが、一方で、子どもが自分で考え、行動する機会を与えることで、自律性は育まれます。過度な介入は極力避け、必要な場面での適切なフィードバックの提供が行われることで、子どもが自己評価能力を養うことを支援します。
当然のことですが、子どもにはそれぞれ独自の発達のリズムがあります。自然な発達の進行と、タイミングを見極める観察力を高めることが、子ども達の周囲の環境としての大人には、求められるのかもしれませんね。
発達支援Laboランプとは
児童発達支援・放課後等デイサービスの多機能型事業所です。
◆心理士による専門的なアセスメントや介入
子どもの行動の背景にある動機を丁寧に観察し、より適切な行動につなげるためのアセスメントや、行動への支援を行います。
◆五感を全力で使った多彩な体験
事業所にある砂場や、水、土、草木、風など自然の中で子ども達の興味を広げ、豊かな情操を養います。
◆自然なやり取りの中でのソーシャルスキルの習得
小集団の活動の中での、子ども同士、また大人も含めた環境の中で自然なやりとりを経験します。
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