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【臨床心理士がやさしく解説】第17回「子どもの社会性って?」

2024.10.25

こんにちは、発達支援Laboランプです。

ここでは、定期的に療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信をしています。

今回のテーマは「子どもの社会性って?」です。

療育のみならず、教育や子育ての領域などで、よく「社会性」という言葉を耳にしますよね。特に子どもの時期に身につけることを期待される社会性のスキルは、その後の人間関係や学び、延いては仕事においても大きな影響を与えまると言われています。今回は具体的に重要な社会性のスキルについて、代表的なものを見ていきます。

1,共感する能力

他人の感情を冷静に、共感する能力は、友達との関係や協力する場面で非常に重要です。はじめから他者の感情を感じ取ることができる人は、いません。これは、感情を言葉で表現することから始まります。

2,コミュニケーション能力(非言語を含む)

言葉や非言語的な方法(身振り手振りなど)で、自分の意思を伝える能力です。また、相手の言葉を聞きとり、理解する能力も含まれます。

3,問題解決能力

衝突や問題が起きたときに、冷静に考え、解決策を見つける能力です。これは、友達や兄弟などとの小さなトラブルから学ぶことが非常に多いのではないでしょうか。

4,協調性

グループ内で協力し、時に自分の意見や欲求を抑え、他人との調和を保つ能力。チームスポーツやグループ活動がこの能力を育むことに大いに役立ちます。

5,ルールを守ること

社会生活に際しては、ルールが存在します。学校の規則や公共の場でのマナーを守ることは、社会的なスキルとして非常に重要です。

6,感情のコントロール

自分の感情を管理し、怒りや失望を含め、より適切な方法で表現する力です。これは、人間関係をスムーズにし、不要な衝突を防ぐために大いに役立ちます。

7,自己主張と傾聴のバランス

自分の意見や感じていることを正しく伝えることと、他人の話を尊重しながら聴くバランスが重要です。これにより、相互理解が促進され、対等な人間関係を構築することに役立ちます。

8,適応能力

環境や状況の変化に柔軟に対応する能力です。新しい環境や未知の状況においても、過度な心配や不安を抱えずに活動する能力です。

9,リーダーシップとフォロワーシップ

状況に応じてリーダーシップをとることと、誰かをサポートしフォローすることの双方の力が大切です。このバランスがとれることで、グループ内でも自然な役割分担が生まれます。

10,正義的判断力

不正や不公平な行動に反対する力です。正義の定義は人それぞれですが、自分が正しいと思われる行動を選択し、時に遂行する力でもあります。

まとめ

これらのスキルは、親や教育者、周囲の大人が模範を示し、適切な指導を行うことで身に付きやすくなります。また、兄弟や友達など、他児との日常的なやりとりの中で自然と磨かれていくものでもあります。また、社会性は、一朝一夕に身につけるものではありません。時に本人の困り感と共に振り返りやSST(ソーシャルスキルトレーニング)等の機会を活用しつつ、なにより「日々積み重ねていくこと」が大切です。

発達支援Laboランプとは

児童発達支援・放課後等デイサービスの多機能型事業所です。

◆心理士による専門的なアセスメントや介入
子どもの行動の背景にある動機を丁寧に観察し、より適切な行動につなげるためのアセスメントや、行動への支援を行います。

◆五感を全力で使った多彩な体験
事業所にある砂場や、水、土、草木、風など自然の中で子ども達の興味を広げ、豊かな情操を養います。

◆自然なやり取りの中でのソーシャルスキルの習得
小集団の活動の中での、子ども同士、また大人も含めた環境の中で自然なやりとりを経験します。

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