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こどもの最善の利益の保障とは

2024.07.13

児童発達支援・放課後等デイサービス ヒトツナ フランチャイズ本部の遠藤です。

今日は、児童福祉法、こどもの権利条約、児童発達支援・放課後等デイサービスのガイドラインにも出てくる、”こどもの最善の利益”としてその”保障”について解説致します。

こども施策の基本理念

令和5年4月1日に、こども家庭庁が発足し、障害児支援施策も同庁の下で、こども施策全
体の連続性の中で推進されていくこととなりました。

また、こども家庭庁の発足とあわせて、こども基本法(令和4年法律第 77 号)が施行され、こども基本法は、日本国憲法、児童の権利に関する条約(以下「子どもの権利条約」という)の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、社会全体としてこども施策に取り組むことができるよう、こども施策に関する基本理念が定められました。

そのこども施策の基本理念(こども基本法 第3条)の中に「最善の利益」については次のように記載されています。

全てのこどもは年齢や発達の程度に応じて、意見が尊重され、こどもの今とこれからにとって最もよいことが優先して考えられること。
- 全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されること。

こども基本法のみならず、児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)第1条においても、こどもの権利条約の精神にのっとり、こどもが家族や社会の支えを受けながら自立した個人として自己を確立していく「主体」として尊重されなければならないこと、第2条では、社会全体がこどもの意見を尊重し、その最善の利益が優先して考慮されるべきことが規定されています。

こどもの最善の利益とはなにか

子どもの最善の利益とは、子どもの権利条約の4つの原則の一つであり、「その子どもにとって最もよいこと」と表現されています。こどもに関する決め事がなされる場合は、その子にとって最もよいことは何かを第一に考えるようにという原則です。

参考:子どもの権利条約の考え方 | 日本ユニセフ協会 (unicef.or.jp)

障害の有無や、子どもが幼い場合も

発話による意思疎通が難しい障害の程度の場合や、善悪の判断が未熟な幼児などの場合、「その子にとって最も良いこと」はどう判断すればいいのか?と迷われることがあると思います。また、知的発達に遅れがないお子さんや、生活年齢も高いケースなどでは本人がやりたいと思っていることが社会的、将来への長期的視点で見ても「よいこと」ではない場合もあり、どこまで本人の意思を尊重すればよいのか?というのは実際に悩む点だと思います。

その子の発達段階に応じて、意見を確かめるということ

こどもの最善の利益とは、「その子にとって最もよいこと」であり、それを保障するとはつまり、意見を確かめること、その意思について大人が立ち止まり、考えることだと考えます。その結果、それが社会的にみて不適切な場合や、将来への長期的視点で見て、適切ではない場合は、頭ごなしに善悪を付けるのではなく一度こどもの意見を受け止め、理解を示した上で、「こっちはどう?」と提案していくことが大切だと思います。その時に意見を聞いてもらえる大人であれるよう信頼関係の構築が何よりも大切です。

ヒトツナグループの療育

ヒトツナグループでは、こどもの最善の利益の保障についてグループ内研修会にて度々取り上げ、常にこどもまんなかを考え続けています。