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【臨床心理士がやさしく解説】第16回「自主性の大切さについて」

2024.10.23

こんにちは、発達支援Laboランプです。

ここでは、定期的に療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信をしています。

今回のテーマは「自主性の大切さについて」です。

近年、子どもたちが特定の玩具や道具がないと遊びを始めることができない、というようなお話を耳にしたことはありませんか?現代の便利な環境や豊富な玩具の中で育つ子どもたちにとって、効率性が向上する一方、自分の力で遊びを創造する機会が減っているのかもしれません。しかし、遊びを通して自主性を育むことは、子どもたちの成長にとって非常に重要です。

1,自主性とは?

自主性とは、自分の意思で行動し、自分の力で問題を解決する能力のことです。子どもたちは、遊びの中でその自主性を育むことができます。たとえば、砂場でお城を作る際に、どのように砂を固めるか、どのような形にするのかを自分で考えることが、自主性の一歩です。

2,遊びの中で自主性を育む

道具や玩具が豊富にある環境では、子どもたち延いては大人もどうしてもそれに頼ってしまいがちです。しかし、時にはシンプルな環境で遊ばせることも大切です。自然の中で見つけた石や木の枝、葉っぱなどを使い、自分で遊びを創り出す経験は、子どもたちの創造力を刺激し、自主性を育てます。

たとえば、公園で拾った石を使い、おままごとの食べ物に見たてたり、木の枝を剣に見立てて冒険ごっこをしたりすることです。こうした遊びの中で、子どもたちは自分で考え、工夫し、遊びを進めていく力を身に着けていきます。

3,大人の役割

大人が子どもたちの遊びにどのように関わるかも非常に重要です。すべての遊び、玩具を用意してあげるのではなく、時には見守ることが大切です。子どもたちが自分で考え、試行錯誤する時間を尊重し、必要な時にだけサポートを提供することが、自主性の育成に繋がります。

たとえば、子どもが困っているときにすぐに手を差し伸べるのではなく、「どうしたらできるかな?」と問いかけ、子ども自身に解決策を見つけさせることが大切です。そうすることで、子どもたちは自信を持ち、自主的に行動する力を養います。

4,自分の基準と他人の基準

大人の言うことを聞き、用意された玩具を上手に扱うことに偏りすぎると、自身の基準を失いかねません。他人の基準で生きることの弊害は、子どもたちの自主性や自己信頼感を損なう可能性があります。常に他人の指示や期待に応じて行動することで、自分の意思や興味を見失いがちになってしまい、その結果として、自分自身で考え、決断する力が育ちにくくなってしまいます。

たとえば、親や先生が常に遊び方や学び方を細かく指示することで、子どもは自分で試行錯誤する機会を失います。そのような状況では、子どもは自分の判断に自信を持てず、それは将来にわたって他人の意見に依存するリスクを高めてしまいかねません。

まとめ

自主性を育むためには、子どもたちに自由な遊びの時間が与えられ、時にシンプルな環境で遊ぶことが重要です。また、大人は見守ることを忘れず、必要な時にだけサポートすることで、子どもたちの自主性を引き出すことができるでしょう。玩具や道具に頼りすぎず、自分の力で遊びを創造する経験を通じて、子どもたちはより豊かな成長を遂げることでしょう。そして自分自身の基準で生きる力を身に着けることで、将来の様々な場面で自信をもって行動できるようになることが見込めるのではないでしょうか。

発達支援Laboランプとは

児童発達支援・放課後等デイサービスの多機能型事業所です。

◆心理士による専門的なアセスメントや介入
子どもの行動の背景にある動機を丁寧に観察し、より適切な行動につなげるためのアセスメントや、行動への支援を行います。

◆五感を全力で使った多彩な体験
事業所にある砂場や、水、土、草木、風など自然の中で子ども達の興味を広げ、豊かな情操を養います。

◆自然なやり取りの中でのソーシャルスキルの習得
小集団の活動の中での、子ども同士、また大人も含めた環境の中で自然なやりとりを経験します。

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