地域を走り、現場で学び、開業2年目へ
今回は、ヒトツナ本部の広報担当が、ヒトツナ上新庄教室オーナーの森田先生に、これまでの歩みや今後の目標について伺いました。2025年4月の開所から1年、現在のヒトツナ上新庄教室は、20名を超える子どもたちが通ってくれる教室へと成長しています。
オーナーの森田先生は、もともと福祉業界の出身ではありません。長く会社員として働く中で、「いつか自分で事業をやりたい」と思うようになり、業界を問わずにフランチャイズを比較する中でヒトツナと出会いました。
「最初は、福祉で起業するというより、“起業したい”という気持ちが入口でした。でも、この業界を知って、子どもも好きだし、実際に現場に入る中で、子どもたちと向き合うやりがいに気づいていきました」
異業種からの開業。分からないからこそ、現場に入り続ける
森田先生がヒトツナを選んだ理由のひとつは、商談時に、良いことだけでなく開所後の大変さも含めて伝えてくれたことでした。
「他のフランチャイズの話も聞きましたが、良いことばかり言われると、逆に不信感がありました。ヒトツナは良いことも悪いことも全部話してくれた。だからこそ、覚悟ができました」
とはいえ、起業も福祉も初めてのことばかり。開所当初は、思うように利用につながらない時期もありました。相談支援事業所や学校、保育園などへ、自転車で地域を走り回って挨拶に行ったことは、今でも強く印象に残っているそうです。
「焦っても仕方がないと思いながらも、気持ちは焦っていました。だからこそ、やれることはやり尽くそうと。自転車でかなり日焼けしましたよ」
上新庄の街のことも、最初から詳しかったわけではありません。大阪市内で需要を調べ、物件が決まってから地域を走り、子どもたちや保護者、関係機関と接する中で、少しずつ教室のあり方をつくっていきました。
思うように進まない時期にも、本部が見捨てずに寄り添ってくれたことは、大きな支えになったといいます。
子どもたちの成長が、教室を作ってよかったと思える一番の瞬間
開所してよかったと感じる瞬間を尋ねると、森田先生は「児童の成長」と答えます。
「来たばかりの頃は発話がほとんどなかった子が、今では片言で話してくれるようになりました。先生の名前を呼んでくれたり、意思疎通しようとしてくれているのが分かるんです」
毎日関わっていると、その変化は一気に見えるものではありません。それでも、ふと振り返ったときに、1年前とはまったく違う姿がある。そうした瞬間に、森田先生はこの仕事のやりがいを強く感じるといいます。
「最初に接したときは、どうなるんかなと思いながら必死でした。でも、会話ができるようになったり、こちらに伝えようとしてくれたりする姿を見ると、すごいなと思います」
保護者の方から感謝の言葉をいただくこともあります。
子どもたちの小さな変化や成長が、森田先生にとって大きな支えになっています。
支援の難しさに向き合いながら、少しずつ学んできた1年
一方で、支援の難しさを感じる場面も少なくありません。より丁寧な関わりが必要なお子さんに対して、どのように寄り添うか。自分の関わりが本当に届いているのか。森田先生自身も、日々迷いながら学び続けています。
「最初の半年くらいは、感情のコントロールが難しい自分にイライラしました。10か月目くらいから…最近では当たり前に、平常心で向き合えています」
福祉業界未経験で始めたからこそ、児童指導員の先生たちに教えてもらいながら、自分でも学び続けてきました。分かったふりをせず、現場で起きていることに向き合う。その姿勢は、森田先生が大切にしていることのひとつです。
「自分自身も勉強しないといけないですし、なんでも聞くようにしています。現場で子どもたちと対峙していると、分かったふりはできません」
開所から1年。人生で1番早い1年間だった、と振り返りながらも、森田先生は「ここからが本当のスタート」だと話します。
職員同士のチームワークが、子どもたちの支援につながる
今、森田先生が特に大切にしているのは、職員同士のチームワークです。
「職員の関係がギクシャクしていたら、適切な支援はできないと思っています。子どもたちは敏感に見ていますから。円滑にコミュニケーションが生まれるような雰囲気づくりは、最近意識しています」
上新庄教室では、毎日の終礼を大切にしています。その日の子どもたちの様子を振り返り、難しいケースがあれば時間をかけて共有します。
森田先生は「工夫はそれくらいだと思う」と話しますが、実は毎日現場に入り続けていることが、雰囲気作りに役立っているのかもしれません。オーナー自身が日々子どもに向き合う姿や、小さな対話の積み重ねが、教室の空気をつくり、支援の質を支えています。
「本当のところ、職員のみんながどう思っているかは分かりません。でも、ちょこちょこ個人的にも話を聞いて…できるだけ話しやすい雰囲気にしたいと思っています。子どもたちの様子も、職員間のコミュニケーションも、現場に入っているからこそ分かることがあります」
保護者から「ここなら心配ない」と思ってもらえる教室へ
今後目指しているのは、保護者の方から「ここなら心配ない」とお墨付きを自然にもらえる教室です。制度上の評価だけではなく、日々の関わりの中で信頼され、地域の中で当たり前に受け入れられる存在になっていきたいと考えています。
「4年、5年くらいで、そういう教室にしていきたいですね。4年、5年でできなければ、10年でもできない気がしています。大阪市内には多くの事業所があるからこそ、誠実さが重要です。自分自身の手で、もっと良い教室を増やしていきたいですね」
1年目を走り抜けた今だからこそ、森田先生は次の数年を見据えています。
これから開業を考える方へ
これから開業を考える方へのメッセージを尋ねると、森田先生は笑いながらも、はっきりとこう話してくれました。
「楽して金儲けはできませんよ、ということです。最低限のことはやり尽くす。やったらやった分だけ、あとから返ってくると思っています」
異業種から飛び込み、分からないことだらけの中で始まった上新庄教室。開所から1年を経て、森田先生は今も現場に立ち、子どもたち、保護者、職員と向き合い続けています。
「諦めなかったら、きっと前に進める。もちろん、その間に本部がバックアップしてくれるのは、本当に心強いです」
まずは2年目を頑張る。
その言葉には、焦りではなく、日々の積み重ねを信じる力がありました。
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